にしもの筆記帳

永藤呉服店店主 筆記帳かわりにつかってます。

自転車漕いでいたあの頃

十年前か。何も考えてなかった、何も考えなくて良かった、辛かったけど、辛くなかった、人生で一番辛いことをしたつもりだった、佐多岬も宗谷岬も果てがあった日本には果てがあった、限界があった、前に進めば良かったのに、行き止まりがあった、今思えば私の挫折はそこから始まったのではないかと、思う。だって果ての向こうには道はあった。大陸には道はあっただけれど私は果てを感じた、多分あそこが私の果て、創造力の限界、だから今が限界なのかもしれないのは薄々わかっている、あの時の果てをまた感じてるから、でも今回は違う帰り道がない、あの時は後ろを向けば帰り道があった、家が、家族が、甘えれる場所が、怠惰を受け入れてくれる場所が。進めば戻る道があった、だから進めた、今はどうだ、進んだ進んだ進んだ進んだ、後ろを見たら帰れない。これがホントの果てなんだ。進めない戻れないここが果て、前が宗谷岬、後が佐多岬。。。これもまだ旅の途中なのか、ひょっとしたらまだ進めてまだ戻れるのか、道があるのか。