にしもの筆記帳

永藤呉服店店主 筆記帳かわりにつかってます。

思いだしたように

ようにじゃなくて思いだしたんでしょうが。
すっかり存在を忘れていたブログ。
ログインパスすら忘れてたし。備忘を残す予定のブログを忘れるなよ俺。


おうちカフェイベントも無事終わり、年末が近づいた感があります。
「やらないで後悔するよりやって後悔する方がいいよね」的な思いつきでやったにしては
まずまず好評よかった。


**備忘
着物という現代のマイノリティ文化では「物」「人」「場」
のすべてが不足してると思っています。


・「物」は着たい人に合った着物が不足。


高級着物(タンスノコヤシ)ばかり市場に出回り、
価格と使用に耐えうる実用着物の絶対数不足、またそれをフォローする店舗不足。


これは昨今の普段着ブーム的な流れで緩和されているのですが、
これはこれで弊害もあるようですが…。



・「人」着たい人を助ける人が不足。


これは私達「着物業界人」の問題。
訪問着振袖ばかりお客に勧めて言う事は。


「私たちは日本の伝統を守っているのよオホホノホ」


伝統ってのは箪笥の中でカビだらけにすることなんか?
おばあちゃんが持っていていらなくなった次世代の人間がタンスノコヤシを燃えるゴミの日に出してるのを見て言うとるの?


着物屋なら着たい人のフォローしろよ。高い着物売り付けて「はいそれまでよ」はねぇだろ。
ウチには他店の名前入りたとう紙がたくさんあります。なぜでしょう…。



・「場」着ていく場所が不足。


これが一番難しい。
「和服を着ていける場所」が人によって違うからね。


極論を言えば水の中と宇宙空間(*)以外は着ていける場所なんだけどなぁ。



(*)無重力状態では和服の行動はかなり制限されると想像する、裾が捲れあがり袖はひらひらしすぎる。よって和服は「地球着」と言えるかもしれない。この想像は楽しい。