にしもの筆記帳

永藤呉服店店主 筆記帳かわりにつかってます。

生きる色と生かす色

 基本的に着物は通し柄で構成されているので(訪問着などは裾柄)洋服を選ぶ時より柄や色が表にググッと主張してきます。なので、Tシャツを選ぶ感覚だと自分の予想と違う雰囲気になる事が多い、格子柄(チェック)でも着物になると上から下までチェックになっちゃうので洋服で着れていても着物なら似合わないって事がよくあります。それが「着物って色柄合わせが難しい」の原因になる事が多い。

  • 色について軽いまとめ

個人的考察では、
『自分の着物姿が生きる色』と『着物を自分が生かせる色』があると思ってます。
これ同じ意味じゃんと思うかもしれませんがちょっと違います。
普段着とイベント着の比重の違いと考えても、いいかもしれません。

  • 生きる色

似合ってる、顔映りがいいとか、キャラが立ってると言われる色の事。気兼ねなく着れる色、
点数で言うと80点が常に出る状態、
トレードカラーとかパーソナルカラーとかもこれの仲間に入ると思います。
【自分らしい色】の事ね。普段着の比重が多いもの。

  • 生かす色

その場に応じた色、普段着はできないけど特定の条件、場所ならクリティカルヒットが出る色の事。点数で言うと条件付きで120点が出る状態。テーマを持たせたコーディネート。クリスマスコーデとかマリンコーデとか、テクニック的に言えば暗い茶室でほんのり明るめの色を着て陰影を浮き出させるとか、突き詰めていけば舞台衣装とかもそうね。【その場に合わせる色】の事ね。でもこれはいつも使える技じゃないから普段着向きじゃなくてイベント着の比重が大きくなる。

  • んでどっちが良いん?

A.どっちも正解。

職業的に着物着てる人は普段着の比重が大きくなるし、着物を着る事がイベント的要素を大きく含むならイベント着の比重が大きくなると思ってます。例えば普通の生活に着物を取り入れる人と、習い事の時のみ着物の人、では比重が違います。用途の違いだけ。


書道の先生が普段着る着物は墨がついても分かりにくい黒っぽい着物を着る、普段着の比重が多い。でも、その先生が表彰される時に普段着ない淡い色の訪問着を着るのはイベントの比重が多い。どっちも正解。


現在の衣類は、他人に自己を紹介するツールなので、普段着ベースでもイベント着ベースでもその人らしさが分かってもらえれば良いわけで。。。等々。。。そいつが難しい所でもあり楽しい所でもあるんだけど。。。ウンヌンカンヌン。。。

色々まとめてたら長くなったので。もうしらん。