にしもの筆記帳

永藤呉服店店主 筆記帳かわりにつかってます。

この反物は女物?男物?

最近お客様に聞かれることが多いので考えてみました。
無い知恵絞って考えました。


区別はない。
反物の『幅』と『長さ』の範囲内なら男物だろうが女物だろうが巾着袋だろうが座布団カバーだろうが何でも作れる。色柄はその人の趣味だと思う、友禅手書き牡丹の花だって男が着てもいいと思う、着る人がいるかどうかは別。



まずは『反物幅』の話。
反物幅が影響する部分は『裄』と『前幅、後幅』



並幅と言われる普通の反物は約38cm。
キングサイズとかクィーンサイズとか言われる長幅の反物は約41cm。
一般的なサイズだと、
「反物の巾×2−約4cm(縫いしろ)=その反物から取れる最大の裄丈」
らしいので、


並幅38cmなら裄72cm。
私の裄サイズは72?なのでギリギリ作れる。


ではそれ以上腕の長い人はあきらめてしまうのか。
そんなことはない。先日届いた保多織の反物幅は36.5cm。
でも裄は72cm、私サイズだ。さっきの公式だと。


36.5×2−4=69cmまでしか作れないはず。
ところが着物マジック。


「裄が足りないなら足せばいいじゃない」



着物は縫込みが多い。余った布を切らずに折り返して縫いこんでいる。
脇や衿の下など見えない部分に余った布が隠れています。
この縫込みから足りない布を足せばいい。



↑赤い線の間が袖を足した部分。

袖足しとか袖継ぎとかいう技法で、
テレビなので力士の方が着ている浴衣などに
してる事がある。


この着物の場合は衿の中に入っている布を使って袖足しをした。
男物の衿で、布が二重で入っている部分を一重にして袖足しの布を調達した。


柄によるがこの様な縦縞は非常に効果的。
逆に繋がった柄や横縞などは線がずれるため難しい。


そのズレを生かすという考え方もある。

次は『反物長さ』の話。


集中力が尽きた。
続きはそのうち。